薄めのアメリカンコーヒーには意外なエピソードが

そもそもアメリカンコーヒーってどんなコーヒー？

アメリカンコーヒーは「薄めのコーヒー」というイメージがありますが、いったいどのようなコーヒーのことを指しているのかご存知でしょうか。

わたしたち日本人は、アメリカンコーヒーについて「コーヒーの濃度が薄い」「コーヒー豆の使用量が少なくてお湯で薄めたコーヒー」と認識しているのですが、まったくそんなことはありません。たしかに普通のホットコーヒーと比べると、色がやや薄いという印象ですが、厳密には焙煎が浅めのコーヒーのことをアメリカンコーヒーと言います。

中には普通のホットコーヒーをさらにお湯で薄めたものをアメリカンコーヒーと認識する人もいますが、まったく違います。

アメリカンコーヒーは、コーヒーショップや喫茶店では定番のメニューですね。「アメリカンでお願い」と注文すると出てきたアメリカンコーヒーは色が薄いので、濃度が低いかと思いきや、苦みがなくて酸味が強くてびっくりすることもあります。これはコーヒー豆を浅煎りしたために、苦みより酸味が強調されるからです。
人によってはコーヒー特有の酸味が苦手な人もいるので、そのような人は焙煎が深いコーヒーを選ぶと良いですね。
酸味が強いコーヒーにはモカなどがありますが、同じモカでも深めに煎ると、酸味が薄れて苦みが増してくるのです。

アメリカンコーヒーと紅茶との深い関係とは？

アメリカンコーヒーは読んで字の如く、アメリカ特有のコーヒー文化ですが、実は紅茶との深い関わりがあることをご存知でしょうか。
アメリカはコーヒーの消費量が多い国というイメージが定着していますが、昔も今もアメリカ国内でコーヒーの生産地と言えば、ハワイだけです。なぜなら、アメリカ本土は、コーヒーベルトの範囲外であるからです。

アメリカではコーヒーよりも先に、紅茶が伝わってきました。そのため、紅茶を愛飲する人が多く、今も根強い人気があります。紅茶をこよなく愛飲するアメリカの人々にとって、飲みやすいコーヒーということで、焙煎度の低いアメリカンコーヒーがいつしか定着するようになったとも言われています。

しかし、意外なことに本場のアメリカでは、アメリカンコーヒーというメニューが存在しないとも聞きます。アメリカに旅行する機会があれば、喫茶店に入って「アメリカンコーヒー1つ」と注文してみてはいかがでしょうか。ウエイトレスが首をかしげてしまい、「どんなコーヒーですか」と逆に質問されるかもしれませんね。

 - お役立ちコラム